ささがわのがわ

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デッキのご紹介 【幻想ラストヴィジョン】

 身に染みる寒風も暖かさを取り戻しはじめ、一気に春めいてきたと感じる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。

 

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季節の訪れ


みなさま、こんにちは。ささがわです。普段はマジック:ザ・ギャザリングというゲームをプレイしておりますが、時折こうやって遊戯王についてデッキを構築してそれをご紹介できればと思っております。クラスタの箸にも棒にも掛からぬ未熟者ではありますが、なにとぞよろしくお願いいたします。

 

今回は【フォーチュン・ヴィジョン】なる永続魔法に焦点をおいたデッキについてお話しします。

 

 

フォーチュン・ヴィジョンって?

 

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《フォーチュン・ヴィジョン》


 永続魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):このカードの発動時の効果処理として、デッキから「フォーチュンレディ」カード1枚を手札に加える事ができる。
(2):1ターンに1度、自分フィールドのカードが効果で除外された場合に発動できる。このターン、自分フィールドのモンスターは効果では破壊されない。
(3):1ターンに1度、相手フィールドのカードが効果で除外された場合に発動できる。このターン、自分が受ける戦闘ダメージは1度だけ0になる。

 

そうですね。まずはこの素晴らしくクールなカードについてご説明するところから始めましょう。一目見てわかるとおり《フォーチュン・ヴィジョン》は3つの効果のどれもが運用すべき一定の価値を見出すことができる秀逸なデザインのカードです。

 

①の効果でハンド・アドバンテージを失わずに「フォーチュンレディ」を用いた展開にシフトできますし、②③の効果により相手の除去に対しての防御を固めることができます。つまり攻防一体の非常に扱いやすいカードなのですが、今回特にわたしをエキサイトさせたのは②の効果であったことを告白しなければなりません。

 

「効果破壊耐性の付与」、しかも自分フィールド上のあらゆるモンスターに!!

 

個人的には昨今ことさら散見される「相手の効果によって」なる一文がないのもエクセレント。発動のトリガーもそこそこに緩く、《PSYフレームロードΩ》のような「毎ターン自身を効果除外できる」モンスターと組み合わせれば安定した運用も可能となります。さて、ここでとりわけ簡単に思いつくのは、《激流葬》や《ブラックホール》などの全体破壊スペルを発動し、相手に一方的に被害を押し付けてしまうというものですが、せっかくであれば自壊系のデメリットを打ち消してこそポテンシャルを発揮しそうなこのカード。

 

そこでわたしの胸中によぎったのが《幻想召喚師》《異星の最終戦士》の2枚です。

 

 フォーチュン・ヴィジョンに何を視たか

 

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《幻想召喚師》《異星の最終戦士》

 

続けてご説明いたしましょう。《幻想召喚師》は自身がリバースすることで、問答無用でEXデッキから融合モンスターを特殊召喚するきわめて異彩を放つ効果。《異星の最終戦士》は自身が表側表示で存在する限り、お互いに一切の召喚行為(モンスターのセットのみ可能)を制限するとびきり強力なロック効果を持つモンスターですが、この2つのカードに存在する共通点に聡明なみなさまはもうお気づきでしょう。

 

そう、どちらも「自分フィールド上のモンスターを破壊する」強烈なデメリットが明記されております。《幻想召喚師》は自身の効果で特殊召喚したモンスターのエンドフェイズでの自壊、《異星の最終戦士》は自身が特殊召喚された時、自分フィールドのこのカード以外のモンスターをすべて破壊する効果をそれぞれ持っています。

 

であるとするならば、仮に《フォーチュン・ヴィジョン》の②の効果が適用されたターンに《幻想召喚師》をリバースして《異星の最終戦士》を呼び出せたとしたなら、それぞれのデメリットをまとめて回避しつつクールな盤面がつくりだせるのではないか?

 

それがこのデッキの出発点であり一貫したコンセプトになります。

 

それでは早速レシピをご覧に入れましょう。

 

ラストヴィジョン

 

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あらためてコンセプトのご説明をば。

 

《フォーチュン・ヴィジョン》の②の「自分フィールド上のモンスターへの効果破壊耐性付与」を適用し《幻想召喚師》から特殊召喚した《異星の最終戦士》を盤面に定着させ相手の加勢を許さずに一気に勝負を決めに行くデッキです。


やにわに目に飛びついてくるのはリバースモンスターである《幻想召喚師》をサポートする《聖占術姫タロットレイ》とそのわきを固める《宣告者の神巫》でしょうか。

また、《ブンボーグ003》《ブンボーグ001》《緊急ダイヤ》と、この三種類の採用から容易に察せられるとおり、このデッキは手数の多さを売りにした「どこを引いても戦える」ベクトルにはあらず、「初動を強く意識した」構築であります。

 

構築の際に目標として設定したのは以下のような盤面ですが

 

《PSYフレームロードΩ》+《聖占術姫タロットレイ》+《幻想召喚士》(セット状態)+《幻想召喚師》でリリースするモンスター

  

な、なんと《ブンボーグ003》1枚から《フォーチュン・ヴィジョン》以外はすべてそろえることができます!すごい!ハリファイバーとアウローラドンは本当にすごいんだ!ヴィジョンは素引きする必要があるので、素引きしましょう。 

 

・長ったらしく申し訳ございませんが展開は以下の通り。

 

条件:手札に《ブンボーグ003》

 

①《ブンボーグ003》召喚。効果で《ブンボーグ001》を特殊召喚。機械族モンスター2体で《水晶機巧ハリファイバー》をリンク召喚。効果でデッキから2体目の《001》を特殊召喚

 

②《ハリファイバー》と《001》の機械族2体で《幻獣機アウローラドン》をリンク召喚。効果で《幻獣機トークン》3体の特殊召喚に誘発して墓地から《001》2体を特殊召喚

 

③《幻獣機トークン》と《001》の2体で《虹光の宣告者》をシンクロ召喚。これをもう一度繰り返し《虹光の宣告者》2体で《御影志士》をエクシーズ召喚。素材を1つ取り除きデッキから《禁忌の壺》をサーチ、さらに素材として墓地に送られた《虹光の宣告者》の効果で《聖占術姫タロットレイ》をサーチ。

 

状態:《アウローラドン》《幻獣機トークン》《御影志士》(自分フィールド上)

《聖占術姫タロットレイ》《禁忌の壺》(手札)

 

④《アウローラドン》の②の効果を発動し、《幻獣機トークン》《御影志士》の2体をリリースしてデッキから《幻獣機コルトウイング》を特殊召喚し、効果により《幻獣機トークン》2体を特殊召喚。これに誘発してさらに墓地から《001》2体を特殊召喚。加えて《御影志士》の素材として墓地に送られた《虹光の宣告者》の効果で《聖占術の儀式》をサーチ。

 

➄《幻獣機トークン》2体と《001》で《シューティング・ライザー・ドラゴン》をシンクロ召喚。効果でデッキから《幻想召喚師》を墓地に落としレベルを4に変更。《シューティング・ライザー》と《コルトウイング》で《PSYフレームロードΩ》をシンクロ召喚

 

⑥最後に手札の《聖占術の儀式》を発動し、同じく手札の《禁忌の壺》をリリースして《聖占術姫タロットレイ》儀式召喚!エンドフェイズに《タロットレイ》の③の効果で墓地の《幻想召喚師》を裏側守備表示で特殊召喚

 

状態:《アウローラドン》《Ω》《タロットレイ》《幻想召喚師》《001》(フィールド)

 

以上がこのデッキの基本的な初動になります。

 

《虹光の宣告者》2体でのエクシーズ召喚を絡めた、儀式召喚クラスタではおなじみのテンプレートの変形といったところでしょうか。当然ながら《001》2体を含んで《アウローラドン》をリンク召喚できれば初動をスタートできるので、《緊急ダイヤ》の発動や、《001》を召喚して《リンクリボー》に変換した後、何らかの手段で墓地の《001》を蘇生することでも初動が可能になります。

 

あの、フォーチュンヴィジョンが手札にないのですが

 

だから素引きしましょう。ね。まあ当然ながらそれで割り切ってしまえるのならデッキに思案する意味もありませんので一応サブプランを確保しております。上述した展開をメインプランに据えるなら本ルートはその準備段階と言えますね。使用するのはこちらも汎用性に長ける初動札である《宣告者の神巫》です。

 

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《宣告者の神巫》


チューナー・効果モンスター
星2/光属性/天使族/攻 500/守 300
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキ・EXデッキから天使族モンスター1体を墓地へ送る。このカードのレベルはターン終了時まで、そのモンスターのレベル分だけ上がる。
(2):このカードがリリースされた場合に発動できる。手札・デッキから「宣告者の神巫」以外のレベル2以下の天使族モンスター1体を特殊召喚する。

 

こちらもご存じのかたが非常に多いでしょうが、《宣告者の神巫女》1枚から自由に永続魔法・フィールド魔法をエンドフェイズにサーチすることが可能です。

 

・手順は以下の通り。

 

①《宣告者の神巫》を召喚。効果でデッキから《トリアス・ヒエラルキア》を墓地に送る。

 

②《宣告者の神巫女》をリリースして墓地の《トリアス・ヒエラルキア》を特殊召喚

リリースされた《神巫》の効果でデッキから《ワルキューレ・セクスト》を特殊召喚

 

特殊召喚された《セクスト》の効果でデッキから《ワルキューレ・フュンフト》を特殊召喚。《フュンフト》の効果でデッキから《フォーチュン・ヴィジョン》を墓地に送る。

 

④任意のモンスター2体で《警衛バリケイドベルグ》をリンク召喚。効果でエンドフェイズに墓地の《フォーチュン・ヴィジョン》をサルベージ。

 

 以上の手順を経ることで《フォーチュン・ヴィジョン》が手に入ります。記述したケースだと盤面に《バリケイドベルグ》+モンスターが残るため芸術点に欠けるところは否めませんが、うまく蘇生札をハンドに引き込めていればモンスターの蘇生&リンク召喚で《デコード・トーカー・ヒートソウル》につなげることが可能です。

 

全体的なゲームプランについて

 

このデッキが大まかにみすえるゲームプランを個々の採用カードに関連付けてご説明いたします。

 

《聖占術姫タロットレイ》・・・いわずと知れたリバーステーマのシナジーを強固にする優秀な儀式モンスターです。このデッキだと初動にかかわるなくてはならない大黒柱でもあり、一連の展開後も《最終戦士》を自分のターンに裏返したり相手ターンに表側にしたりとかなりのお茶目なご様子。さすが姫。リバサーの姫といって過言ではない。

 

《機巧狐ー宇迦之御魂稲荷》・・・《緊急ダイヤ》を初動として設定した都合、特にデッキにくっつきのある上級機械族が見つけきれなかったので一番まるいかなと思い採用。正直浮ついた理由である事実は否めないので一重にわたしの勉強不足です

 

《古聖戴サウラヴィス》・・・展開後の盤面がお世辞にも強固とは言えず、ピン除去1枚がクリティカルに突き刺さる可能性があるため《アーク・デクレアラー》《祝福の教会-リチューアル・チャーチ》からアクセスできるユーティリティーとして。

 

《祝福の教会ーリチューアル・チャーチ》・・・こちらも儀式周りのユーティリティーとしての採用。一応天使族+《ブンボーグ001》からハリファイバーにつながるので初動の補助としても。

 

《星遺物を巡る戦い》・・・さすがに《Ω》1枚にコンセプトの成立を担保するのは荷が重すぎると判断したため。《フォーチュン・ヴィジョン》ぬきで《幻想召喚師》から投げた融合モンスターに雑に当てても○。発動するに際し相手フィールド上に表側のモンスターが必要なのが玉にキズですが、打点の心もとない《最終戦士》とのかみ合いはあります。加えてハリファイバー&アウロラードン初動の最大の問題点である「事前に自分フィールド上にモンスターが1体でも存在してしまうと展開の都合上モンスターゾーンが埋まってしまい機能不全に陥る」懸念をかんがみれば、自分のモンスターを一旦どけながら初動をスタートできたりもしますね。

 

《仁王立ち》・・・《Ω》との組み合わせで攻撃制限が可能です。有名なアレですね。暇なとき《フュンフト》で落とせると嬉しい。

 

D-HERO ダスクユートピアガイ》・・・《幻想召喚師》デッキということですんなりと候補に滑り込んだ《ナチュル・エクストリオ》と比較して構築後期に入るまで決めあぐねていた融合枠。選ばれたのはユートピアの男でした。本当はドラグーンにしたかったのですが、《フォーチュン・ヴィジョン》のあるなしに左右されない自前で効果破壊耐性を兼ね備える点で優秀とみて採用に至りました。《幻想召喚師》で投げた後続のモンスターに破壊耐性を付与できる点もこのデッキと非常にかみ合っています。

 

あとがき

 

総括と称するのも大仰すぎるのであとがき程度に。

 

わたし自身、非常に構築ペースの遅いプレイヤーでもありまして、昨今は半年に1つデッキが組めれば良いほうなくらいで、最近はましてモチベーションが遊戯王に向かわずこのデッキの構築に取り掛かる以前は引退すらかんがえるほどでした。というか完全に引退勢の心境でいたのですが、こうしてひさしぶりにデッキを組んでいて痛感したことがひとつ。

 

やっぱりわたしはこのゲームに心残りがあります。

 

だってまだ全然SNSで拝見させていただいている(わたしには到底届かぬ高みにいる)デッキビルダーのかたがたとゲームできてないし!なんならわたしの住んでいる沖縄県内のプレイヤーのかたがたとも全然デュエルできておらず。これは傲慢かもしれないけれど、誰かの心に残り続けるデッキのひとつ組めてやいません!

 

こんなんでフェードアウトしてはゲームにも、そして自分にも失礼ですので、まだまだ楽しくゲームしていきたい所存でございます。次に何か組む予定は全くと言っていいくらいありませんが!めちゃくちゃひさしぶりにストラク三箱買って遊ぼうかな......。

 

こんなささがわですがどうか今後ともよろしくお願いいたします。

 

ではでは。ここまでお読みいただき有難うございました。

 

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「たった今、この創造の最初の瞬間は、無であると同時に全でもある。」